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B型肝炎について

2.B型肝炎の症状

病期の理解が重要です

 HBVキャリアの経過は、ALT値、HBe抗原、HBV DNA量、予測される免疫状態などからこれを病期に分けることができます。
 免疫寛容期ではHBVの増殖は盛んですが、ウイルスに対する免疫応答がないため肝炎は起こりません。この状態の患者さんは無症候性キャリアと呼ばれます。免疫排除期になると肝炎を発症します。最初はHBe抗原陽性ですが、これが陰性化しHBe抗体へセロコンバージョンすると、多くの患者さんではウイルス量が低下し肝炎がなくなります。しかし一部の患者さんではHBe抗原陽性のまま肝炎が続き慢性肝炎となります。一方、HBe抗原が陰性化してもウイルス量は低下せず慢性肝炎となる患者さんがあります。このHBe抗原陰性の慢性肝炎は間欠的に激しい肝炎を起こし、肝硬変や肝細胞癌へ進行しやすいことが知られているので、HBe抗原陽性の慢性肝炎とは区別されています。免疫監視期では宿主の免疫が優位になりHBV増殖は持続的に低下します。これに伴い肝炎はなくなりますので、この状態は非活動性キャリアと呼ばれています。さらに、一部の症例ではHBs抗原が消失するまでウイルスの活動性が低下します(回復期)。ただし、HBs抗原が消失しても肝細胞中に環状の完全2重鎖DNA(cccDNA)の形でHBV遺伝子が残ります。
 病期を時間の流れでみると次のようになります。出生時に母親からHBVに感染した場合、まず無症候性キャリアとなります。通常、この状態が思春期から若年成人まで続いたのちに肝炎を発症します。肝炎を発症しますが、85~90%の患者さんでは一過性で、最終的に非活動性キャリアとなります。これに対し、10~15%の患者さんでは肝炎が続き慢性肝炎から肝硬変へ進行します。肝病変の進行に伴い肝癌発生率が高くなるので、この経過をとる患者さんを的確に見分け治療に繋げることが重要です。

【HBV感染から肝炎へ】

  • 無症候性キャリア
  • 肝細胞の中にウイルスがいますが、肝炎は起きません。
  •    ↓
  • 慢性肝炎
  • 免疫の働きでリンパ球がウイルスのいる肝細胞を攻撃し、細胞が傷ついて肝炎が発症します。

再活性化に注意!

 免疫監視期ではHBVの増殖は十分に低下し肝炎もなくなります。しかし、非活動性キャリアや回復期になっても、何らかの原因で免疫が抑制されるとHBVが再活性化し肝炎が再燃することがあります。近年、医療の進歩に伴い免疫を抑制する薬物による治療の機会が増えました。このため再活性化の機会も増えています。さらに、再活性化によるB型肝炎は劇症化しやすく死亡率も高いので注意が必要です。
 HBVキャリアやB型急性肝炎の回復期ではHBs抗原が陰性でHBs抗体とHBc抗体が陽性となるので(両者または片方)、血清学的には既往感染と判定されます。既往感染でも肝細胞内にはHBV遺伝子がcccDNAの形で潜伏感染していますので、免疫が抑制されると再活性化が起こります。現在、この様な既往感染者からの肝炎再燃は、特にde novo B型肝炎と呼ばれています。このde novo はラテン語で「新たに」とか「再び」を意味します。