3.B型肝炎の検査
肝炎の活動性をみる ~血中のAST値・ALT値の測定~
肝炎の検査の基本となるのが、血液中のAST(GOT)とALT(GPT)を調べる検査です。これらは肝細胞中に多く含まれる酵素で、細胞が壊れると血液の中に出てきます。
つまり、これらの値が高いほど細胞の損傷が激しいこと、つまり肝炎が活発であることを示しているといえるのです。
【AST,ALTって?】

ASTとALTは、いずれも肝細胞の中に多く含まれる酵素で、アミノ酸の合成に使われます。これまではGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)、GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていましたが、最近はGOTはAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、GPTはALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)と呼ぶことが多くなっています。
B型肝炎を診断する ?B型肝炎ウイルス検査?
B型肝炎ウイルスの検査は種類が多いので多少分かりにくいかもしれません。
しかし、これらの血液検査は、ウイルスの状態を把握するのにとても役立ちます。中でも、診断の指標となるのが「HBs抗原検査」です。B型肝炎では、基本的にどの病気でもHBs抗原が陽性になるからです。
HBs抗原が陽性であることが分かると、「HBe抗原検査」や「HBe抗体検査」も行います。Ⅰ期では、HBe抗原陽性でウイルス量は多く、逆にⅢ期ではHBe抗体陽性でウイルス量は少なくなるため、これで病期を判定することができます。HBe抗原陽性からHBe抗体陽性への変化(セロコンバージョン)やウイルスの減少はⅡ期に起きますが、これは患者さんにとってよい変化といえます。
「HBV DNA検査」はウイルス量が少なくなると、その後の経過がよいことが分かっています。このため、治療効果の判定にも有用です。
【B型肝炎を判定するマーカー】
B型肝炎ウイルス(HBV)が肝細胞に入ると・・・
血液からいろいろなマーカー(指標)が検出されます。
- HBs抗原
- HBs抗体
- HBc抗体
- IgM-HBc抗体
- HBe抗原
- HBe抗体
- HBVDNA
| HBVに感染している(通常HBc抗体も陽性) | |
| HBVに感染既往(多くはHBc抗体も陽性) | |
| HBVワクチン接種後 | |
| HBVに感染既往(多くはHBc抗体も陽性) | |
| HBVに感染している(HBs抗原も陽性) | |
| B型急性肝炎 | |
| B型慢性肝炎の急性増悪(低力価が多い) | |
| HBVの増殖力が強い | |
| HBVの増殖力は弱い | |
| HBV量を反映 |
病気の進行度をみる ~肝臓の線維化の測定~

肝臓がどれだけ硬くなっているか(線維化)は、C型肝炎の重要な指標です。線維化の程度はF0~F4に分けられており、F0が正常、F1が軽度、F3が高度、F4が肝硬変であることを示しています。F3、F4になると肝癌になる可能性が高くなるので注意が必要です。
線維化の状態を調べるには、肝臓に細い針を刺して肝臓の一部を採取する検査(肝生検)があります。もっと簡単な方法としては、血中の血小板を調べて線維化の程度を予測する方法もあります。血小板が少ないほど線維化が進んでいると推測でき10万/mm3以下なら肝硬変の可能性が高いとされています。
肝臓の線維化と血小板は遠い関係で結ばれています。すなわち、線維化が高度になると肝内の血液の流れが悪くなり、門脈と呼ばれる血管の圧が高くなります。これに伴い、脾臓のうっ血が起こり、脾臓が肥大すると、ここに血小板が取り込まれ、血液中での血小板の数が低下します。
【血小板数は肝繊維化の目安】
| 肝繊維化 | 血小板数 | |
| 軽度 | F1 | 15?18万 |
| 中度 | F2 | 13~15万 |
| 高度 | F3 | 10~13万 |
| 肝硬変 | F4 | ~10万 |
肝がんを早期発見する ~画像検査~
B慢性肝炎は肝癌を合併することが多いので、定期的に超音波、CT,MRIなどの画像検査を行う必要があります。線維化が高度の場合は3か月に1回、軽度でも6か月~1年に1回程度はスクリーニングが必要です。
【肝がんを発見する検査のいろいろ】

定期的に検査を受けることが大切です!
- 画像検査
- US(超音波)検査
- CT(コンピューター断層)検査
- MRI(核磁気共鳴)検査
- 血管造影検査
- 血液による腫瘍マーカーテスト
- AFP
- AFPレクチン分画
- PIVKAーⅡ