長野県ウイルス肝炎診療ネットワーク規約
(目的)
ウイルス肝炎の治療に際して、治療分野におけるかかりつけ医と専門医療機関との連携をすすめ、以って患者の期待に応えられる医療を提供するために、長野県ウイルス肝炎診療ネットワーク(以下「診療ネットワーク」という。)を構築する。
(事業内容)
前条の目的を達成するために、診療ネットワークでは以下の事業を行う。
- かかりつけ医と専門医療機関の患者紹介(逆紹介も含む)、治療経過の情報及び治療方針の提供
- 患者の治療に関して、かかりつけ医と専門医療機関との情報の共有化を図るために、診療連携パスの使用
- 治療に係る最新情報の提供
- 医療機関を対象とした研修会等の開催
- 県民を対象とした啓発活動の実施
- その他、ウイルス肝炎の診療連携に関する事項
(構成員)
診療ネットワークは、かかりつけ医、専門医療機関及び肝疾患診療連携拠点病院から構成される。
(かかりつけ医)
かかりつけ医は、患者にもっとも身近な存在であり、次に定める役割を果たすものとする。
- 患者に対して、内服処方・注射・定期的な検査等日常的な処置を行うこと。
- 患者に病状の変化等がある場合には、適宜専門医療機関を紹介すること。また、状態が安定している場合においても、少なくとも1年に1度は専門医療機関に診察を依頼することによって病態及び治療方針を確認することが重要である。
- 肝疾患に関する研修会等に参加できること。
- 診療ネットワークに登録を希望するかかりつけ医は、所定の入会申込書を事務局に提出する。また、退会については退会届を事務局に提出することで完了する。
(専門医療機関)
専門医療機関は、次の要件を満たす医療機関とし、長野県ウイルス肝炎診療協議会が指定する。なお、県下10圏域の二次医療圏ごとに少なくとも1箇所は設置することとする。
- 肝疾患に関する専門的な知識を有する医師(日本肝臓学会又は日本消化器病学会専門医、又はこれら専門医と同等の知識を有すると認められる者)による診断(活動度及び病気を含む)と治療方針の決定が行われていること。
- インターフェロンなどの抗ウイルス療法を適切に実施できること。
- 肝がんの高危険度群の同定と早期診断を適切に実施できること。
- 肝疾患に関する研修会等に積極的に参加できること。
- 専門医療機関として診療ネットワークに登録を希望する医療機関は、所定の入会申込書を診療ネットワークの事務局に提出する。事務局は、肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会の審査を経て、長野県ウイルス肝炎診療協議会に報告を行う。
- 第1項に定める条件を満たすことができなくなった専門医療機関は、所定の辞退届を診療ネットワークの事務局に提出する。事務局は、肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会の審査を経て、長野県ウイルス肝炎診療協議会に報告を行う。
- 診療ネットワークの事務局から、専門医療機関の登録又は辞退の報告を受けた長野県ウイルス肝炎診療協議会は、登録又は取消を行い、診療ネットワークの事務局を経由して当該医療機関へ通知する。
(肝疾患診療連携拠点病院)
肝疾患診療連携拠点病院は、第5に定める専門医療機関のうち、長野県内の肝疾患に関する診療ネットワークの中心的な役割を果たしている信州大学医学部附属病院とし、次に定めることを実施する。
- 診療ネットワークに関する事項等の検討を行うために、かかりつけ医と専門医療機関の代表者から構成される肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会を設置する。
- 肝疾患診療相談センターを設置し、患者、キャリア、家族等からの相談等に対応するとともに肝炎に関する情報の収集を行う。
- 地域における肝疾患診療のレベルアップを図るために、医療機関を対象とした研修会を実施する。
(事務局)
診療ネットワークの事務局は、肝疾患診療連携拠点病院である信州大学医学部附属病院に設置される肝疾患診療相談センターに置く。
(会費)
原則として会費は徴収しないこととする。ただし、第2(4)における研修会等の開催に際して、必要に応じて会費を徴収できることとする。
(補則)
この規約の変更は、肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会において協議する。また、この規約に定めるもののほか、診療ネットワークの運営に必要な事項は、肝疾患診療連携拠点病院等連絡協議会において協議する。
附則
- この規約は、平成21年2年28日から施行する。